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マイスターツーリズム

公開日
2011年12月01日

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 蔵の横を流れる筑後川の若々しい波の姿から由来した「若波酒造」。8代目杜氏の今村友香さんは、酒造りはもちろん、企画開発、販売、広報までトータルにこなすパワフルウーマン!大川特産の苺「あまおう」を使ったリキュールや桃色のにごり酒など、女性ならではのアイディアを盛り込んだお酒を発表し、全国的に大ヒットしています。
 
 今回は、寒さ厳しい1月から春にかけて行われる伝統的な酒造りの様子を見せていただきました。

  取材に訪れた日は、三段仕込みの初めの作業「添」の真っ最中。三段仕込みとは、酒の発酵を促す酵母が、ゆっくりと環境に馴染むよう、原料となる麹(こうじ)、蒸し米、仕込み水を一度に入れず、3回に分けて入れることを言います。今村さんは、大きなタンクをかき混ぜたり、蒸し米を冷やしたりと蔵の中を小柄な体でかけ回っていました。

 次に、見学させていただいたのが「麹室(こうじむろ)」。名前のとおり、麹を作る部屋のことです。麹とは、蒸した米に麹菌と呼ばれるカビの胞子をふりかけて育てたもの。米のデンプン質をブドウ糖へ変える働きをする麹は、蔵元の味や質を決める大切な存在。酒造りにおいて最も神経を使う作業です。麹菌が生育しやすい36度の温度が保たれた蒸し風呂状態の室内で、3日間、24時間体制で麹の成長を見守ります。

 20代の若さ、しかも女性で杜氏という職を選んだ今村さん。現在にいたるまでの経緯を伺いました。学生生活を京都で過ごし、就職も決まっていた大学4年の頃、実家から「父親が体調を崩してしまったので、家業を手伝って欲しい」との電話が。それが今村さんと酒を引き合わせた縁となりました。

 「それまでは、酒の造り方なんて全く知らなかったし、蔵にさえ入ったこともなかった」という今村さん。酒の貯蔵タンク内の温度管理をするうちに、お米が毎日変化する様子が楽しみになったとか。「サラサラのお米が、ふわっと膨らみ、ぷくぷくと泡を出して発酵する」その様子に興味を持ち、東京や広島の酒類総合研究所にて本格的に酒造りの勉強を開始。4年前に若波酒造の8代目杜氏に就任しました。

 若波酒造といえば現在、リキュール造りにも力を入れている蔵元としても有名です。苺リキュールの先駆けとなった「あまおう」。「市場に出せない形がふぞろいの苺を使って大川の特産品を・・・」との思いから、リキュール造りの免許を取得し開発に挑んだ逸品です。それまで、酸化が早い苺は、変色しやすいことからお酒造りには向いていないとされていました。

 そこで、火がついた今村さん。何が何でも造り上げようと研究や試作を重ね、無添加、無香料、あまおうだけを贅沢に漬け込んだリキュールを完成させたのです。こうして出来上がった「あまおう」は発売と同時に話題に!TVや雑誌でも度々取り上げられるようになり、全国的に“イチゴといえば、若波酒造”と言われるまでに成長しました。

 「大川をはじめ、九州の食材を使ったお酒を造りたい」と今村さん。食材のことをより知るため、野菜ソムリエの資格を取得。現在は、筑後産のイチヂク“とよみつひめ”を使ったリキュールを開発中です。そのパワーの源は、「お酒で地元の良さを伝えたい」という想いのみ。「もっと多くの人に日本酒を飲んでもらいたい。リキュールは、そのきっかけになってくれれば」と話します。伝統的な酒造りに、新風を吹かせる今村さんの挑戦は、まだまだ続きます。

Information

住所 〒831-0008 大川市大字鐘ヶ江752番地
電話番号 0944-88-1225
FAX番号 0944-88-1226
営業時間 8:30~17:00
休業日 不定休
駐車場 20台
ホームページURL http://www.wakanami.jp/
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