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マイスターツーリズム

公開日
2013年11月12日

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本年、10月15日に華々しくデビューした日本初のクルーズトレイン「ななつ星in 九州」
キャッチフレーズは“新たな人生にめぐり逢う、旅”
その「ななつ星」の内装、建具など随所に大川の職人技が活かされています。
それらを手掛けた、大川組子職人「木下正人」さんを今回のマイスターツーリズムで
ご紹介します。
 木下さんは大川市向島若津の出身、父親の木下久馬人さんは建具職人で「大川の匠」です。
この建具店の次男として生まれ、父の仕事を見て育ちました。
中学生のころには将来は「建具職人」になる!という思いがあったそうです。
大川工業高校卒業後、日本有数の建具産地、栃木県鹿沼市に修業に行かれました。
18歳から26歳までの住み込みの修業生活です。
建具の修業を2年、組子の修業を6年、計8年間、技術を修得し、大川へ帰ると同時に
「木下木芸」を開業されました。
 

~他の職人がやっていない新しいことを~

大川組子は福岡県知事指定特産工芸品として昭和62年度に指定されています。
組子は、飛鳥時代を代表する建物である法隆寺金堂に使われており、この頃中国から社寺仏閣の建物の一部として、日本に伝わったとされています。
長い歴史の中で日本人の器用さ、繊細さと相まって現在まで受け継がれている伝統工芸です。
 木下さんの組子は斬新!デザインもどんどん新しいものに挑戦されています。これは昨年の全国建具展に出品され北九州市長賞を受賞された組子建具で、表と裏の組子の柄が違い、斜めから見ても違ってみえます。3Dを意識して製作されたそうです。
 木下さんは「他の人と同じことやってもおもしろくない」とチャレンジ精神旺盛な熱い職人です。
   組子の製作は緻密な作業です。木下さんの手からミクロン単位の「はっぱ」とよばれる部材が生まれ、いろいろな模様に組み込まれていきます。
 

組子の照明器具にもチャレンジ

ななつ星のオファー

ななつ星のオファーがあったのは今年2月末、博多駅「ななつ星in九州」専用ラウンジ「金星」の壁面
のモール加工を施工したのがきっかけでした。
JR九州の観光列車のデザインを手掛ける工業デザイナー、水戸岡鋭治東京事務所に来てくださいと
連絡があったそうです。
水戸岡さんから依頼を受けた図面をもとに形にして下さいとのこと。
「実際はこれがテストだった」と当時を振り返ります。そして、ななつ星のオファーとなりました。
水戸岡さんの東京事務所に3回ほど通い、後は福岡での打ち合わせとなったそうです。
正味6カ月で1号車から7号車までの窓の内障子を80枚以上作りました。
  

華麗なるJR九州版オリエント急行”ななつ星”              資料提供  JR九州

”チームおおかわ”の力

「どれもデザインが少しずつ違い、細かい指示を受けました」
これは「チーム大川」だったからこそ成し得た仕事だと木下さんは胸を張ります。
9社の大川の仲間と一緒に技術を研鑽し、納期を守ることで信用を勝ち得ました。
難しさは感じなかったけれど、初めてのことがたくさんで、心配はあったとおっしゃいます。
まず、建具は動かない家に備え付けるもの。ななつ星は、動く車両です。
振動がどのように影響するかを心配されたそうです。
そして、水戸岡さんからは、「いいと思うものにしていって下さい」との言葉。これは真剣に考えてもの作り
をしなければいけないという課題でした。
9社が同じモチベーションを継続して仕事をすすめ、先方から求められる以上のものを作り出すことで
初めて喜んでいただける。「今ではどんなオファーがきても何でもできる、怖くない!」
という気持ちでいっぱいになったそうです。
自分ひとりの力は知れている、「チーム大川の底力で何にでもチャレンジしていきたい」
この大川の宝となり得る力を「ななつ星」で再確認できた。とおっしゃいます。
―時代にチャレンジ―
この言葉はこれからの大川木工産業の未来に繋がる光になることを確信した取材でした。
   

まさに走る”宝石箱” 《ななつ星》

Information

住所 〒831-0005 福岡県大川市向島1037-1
電話番号 0944-86-6328
FAX番号 0944-86-6328
営業時間 AM 9:00 ~ PM 6:00 
定休日   休日/ 日祝日、第2・4 土曜日
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